その映画は、荒廃した2055年の地球を舞台に、“人類最後の男”として生きる男を描いた『THE AGE OF STUPID』(公開中)である。この映画は、地球温暖化をテーマにしたドキュメンタリーとして製作され、昨年の国連環境ウィークで、世界40か国でプレミア上映されて話題となったという。ドキュメンタリーといいながら、設定は2055年の未来を描いており、SF小説の映画化とも言っても良い。この映画が訴えるのは、人類がたった1人になるまでの荒廃を招いたのは、「人類はなぜ、チャンスがあるうちに、環境に対する対策を何もしなかったのか？」という強烈で皮肉なメッセージである。
先進大国のエゴ、発展途上国のエゴで、環境対策もままならない現状の苛立ちを未来の地球環境・人類滅亡を借りて痛烈に批判している。まだ自分(自国)だけは、何もしなくても良いと思っていて、自分(自国)だけでもやらねばならないになっていない。残念ながら、今の状況は、これに気づくときは、既に地球が末期がんと判断されたときに違いない。温暖化は二酸化炭素のせいではないという学説もあるが、わずかな望みはここにあるのか知れない。しかし、温暖化以外にも水資源の枯渇、砂漠化、食料問題と温暖化と関連する部分もあるが、人類の危機は複数存在する。場合によっては、地球環境は健康体だが、人類は滅亡という可能性もあるのではないだろうか。


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